オンセにおいて気を付けるべきこと

本ページは TRPGなんでも Advent Calendar 2022 の 17 日目の記事です。

今回はオンラインセッション(以下、「オンセ」)において、通常のセッションよりも意識しておいた方が良いことを書かせていただきたいと思います

そもそも「オンセ」とは何ぞや ?

オンセとは、そもそも遠隔地にいて直接会って遊ぶことが出来ない仲間と、オンラインの専用ツールを利用してTRPG を遊ぼうという仕組みで、オンセ自体の歴史は結構長いものがあります。オンセの良いところは何と言っても「お互いが遠隔地にいながら同時に遊べる」という利便さです。私自身は、若い頃は身近に仲間もいるし、直接会って遊べることが多かったので、長らくオンセには触れてこなかったのですが、近年、コロナ禍ということもあって、感染防止対策も含めてオンセが改めて注目されるようになったのかな、とも思います。

オンセの歴史

オンセの歴史はかなり長くて、おそらく私が成人したころにはオンセ文化は始まっていたと思います。2000年代後半から、ダイスボット(乱数発生装置)やマッピング機能などを統合したいわゆる「オンセツール」の開発が進み、特に黎明期を引っ張ったのが2020年にサービスを終了した「どどんとふ」でした。

「どどんとふ」の終了は Adobe Flash の提供終了によるものでしたが、現在はその後継となるさまざまなオンセツールが開発されています。元々は CoC 専用のオンセツールだったところから汎用ツールになった「ココフォリア」、Angular をベースとした P2P ツール「ユドナリウム」、そしてそれらを支えるダイスボット「BCDice」はおそらく名前は聞いたことがあるという人は多いのではないでしょうか。

オンセにおいて気を付けるべきこと

オンセには弊害もある

本題はここからです。基本的にオンセではお互いの顔が見えないことが多いです(もちろん zoom 等のツールを使って顔を見ながら行うことも可能ではあります)。おそらく、オンセにおける弊害の唯一にして最大の理由がこれです。顔が見えないから良いだろうなどと思って「GM や他の PL の悪口を言う」などはもってのほかです。

一昨年の記事でも書いた通り、TRPG とは基本的に「コミュニケーションを楽しむ」のが目的ですから、そのコミュニケーションを円滑にするために、オンセにおいて特に意識したほうが良いことをいくつか挙げておきます。

ルールブックやサプリメントが必須かどうかを明示する

これはオンセに限ったことではないのですが、ルールブックを持っているのか、ルールに関する知識を前提としているのかどうかは募集を掛ける際に明示しましょう。オンセでは事前にキャラクターを提出してもらうケースも多いので、体験卓としてそこまで含めて丁寧に説明するのか、あるいはルールブックは持っていて事前にキャラクターメイキングができることを前提とするのかを最初に提示しないと、トラブルの素になります。

音声情報を多めに(ボイスセッション)

Skype や Discord 等を使えば、お互いの声を聴きながらセッションを行うことができます。いわゆる「ボイセ」と言われる形態ですが、この場合は音声情報を普段のセッションより多めにしましょう。これは GM だけでなく、PL も単に PC としてのセリフを言うのではなく、その時の PC としての感情なども情報として添えると、他者にイメージが伝わりやすくなります。声のトーンで演じ分ける人もいますが、その演者である人の表情が見えないと稀に誤解を招くことがあるので、システム上許されるのであれば PC としての感情と PL としての考えを両方伝えると、一例として「なるほど、PL としてはノリノリだけど PC としては渋々、って感じなのかな」というのが伝わりやすくなります。

視覚情報も多めに(テキストセッション)

通話ツールを使わずに全てをチャットで行う「テキストセッション(テキセ)」の場合は、視覚情報を多めに出しましょう。喩えですが、ダンジョン内で隠し扉を PC が発見したならば、「どこどこに隠し扉があります」という文章情報だけでなく、マッピング機能などを使って隠し扉がある位置を見せるなどの工夫をするとスムーズになります。

人間って往々にして文章を読まなかったり読み飛ばしたりするので、文章情報だけに頼らないことが重要です。このテクニックはボイスセッションでも使えますのでぜひ意識してみてください。同じ NPC でも、顔が見えるのと見えないのとではだいぶ印象も変わります。絵が描けない ? だったらその辺に転がってるジェネレーターで適当にでっち上げりゃ良いんだよ!

オンセは怖くない

オンセの利を活かそう

オンセの最大の利は「離れていても遊べる」の一言に尽きます。離れているのに、まるで全員が同じ場所にいるかのような臨場感を、ぜひあなたも味わってみませんか ?

主なオンセツール

(バージョンは執筆現在のものです)

もちろん、上記以外にもさまざまなオンセツールがあります。自分の好みに応じていろいろ試してみると良いでしょう。

さあ、あなたもオンセの世界へ。

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