少なくとも二つの元(それを $0, 1$ で表す)を含む集合 $R$ と $T:R\times R\times R\rightarrow R$ が以下の公理を満たすとき, $(R, T)$ を平面三項環という.
公理 1 と公理 2 を満たす対 $(0, 1)$ は一意である.
$(0, 1)$ の他に公理 1, 2 を満たす対 $(0', 1')$ があったとする. このとき異なる二つの元 $a, c\in R$ を取ると $$T(a, 1', 0') = a, T(c, 1', 0') = c$$ が成り立つ. これは $$T(a, x, y) = a, T(c, x, y) = c$$ を満たす $(x, y)$ が $(1, 0)$ のみではないことを意味するから公理 5 に反する.(証明終)
$(R, T)$ が公理 1, 2, 3 を満たす有限集合ならば公理 4 と公理 5 は同値である.
異なる二つの元 $a, c\in R$ を取り $f:R\times R\rightarrow R\times R$ を $$f(x, y) := (T(a, x, y), T(c, x, y))$$ とする.
$f$ が単射でないとする. すなわち $(x, y)\ne (x', y')$ で $$\begin{align} T(a, x, y) &= T(a, x', y'), \\ T(c, x, y) &= T(c, x', y') \end{align}$$ を満たすものがあるとする. $x = x'$ ならば仮定により $y\ne y'$ なので第 1 式が公理 3 に矛盾する. $x\ne x'$ ならば第 1 式と第 2 式を合わせたものがが公理 4 に矛盾する. 従って $f$ は単射である.
$R\times R$ は有限集合なので $f$ が単射であれば必然的に全射で, 故に全単射である. 従って任意の $(b, d)\in R\times R$ に対して $f(x, y) = (b, d)$ となる $(x, y)\in R\times R$ はただ一つだけ存在する. これは公理 5 そのものである.
$a, b, c(\ne a)\in R$ を取り $f:R\rightarrow R$ を $$T(x, a, b) = T(x, c, f(x))$$ となるように定める. このような $f(x)$ は公理 3 によってただ一つ存在する.
今 $f(x) = f(y)$ と仮定し, $d := f(x) = f(y)$ として $$\begin{alignat}{2} T(x, a, b) &= T(x, c, d) & &= g, \\ T(y, a, b) &= T(y, c, d) & &= h \end{alignat}$$ と置く. これは $(u, v) = (a, b)$ と $(u, v) = (c, d)(\ne (a, b))$ がともに方程式 $$T(x, u, v) = g, T(y, u, v) = h$$ を満たすことを表しているので, $x\ne y$ とすると公理 5 に矛盾する.
以上により $f$ は単射, 従って $R$ の有限性により全単射であり, 任意の $d\in R$ に対して $f(x) = d$ となる $x\in R$ がただ一つだけ存在する. これは公理 4 が成り立つことを意味する.
(証明終)