平面三項環から射影平面を構成する

$(R, T)$ を平面三項環とし, $R$ に属さないシンボル $\infty\not\in R$ を用意する.

$$\begin{align} M &:= \{(a, b) | a, b\in R\}\cup\{(a) | a\in R\}\cup\{(\infty)\}, \\ N &:= \{[a, b] | a, b\in R\}\cup\{[a] | a\in R\}\cup\{[\infty]\} \end{align}$$ とする.

$$\begin{alignat}{2} ((a, b), [c, d]) &\in \mathit{\Gamma} & \iff d &= T(c, a, b), \\ ((a, b), [c]) &\in \mathit{\Gamma} & \iff a &= c, \\ ((a, b), [\infty]) &\not\in \mathit{\Gamma}, & & \\ ((a), [c, d]) &\in \mathit{\Gamma} & \iff a &= c, \\ ((a), [c]) &\not\in \mathit{\Gamma}, & & \\ ((a), [\infty]) &\in \mathit{\Gamma}, & & \\ ((\infty), [c, d]) &\not\in \mathit{\Gamma} & & \\ ((\infty), [c]) &\in \mathit{\Gamma}, & & \\ ((\infty), [\infty]) &\in \mathit{\Gamma} & & \end{alignat}$$ によって $\mathit{\Gamma}\subset M\times N$ を定めるとき, $\mathfrak{G} := (M, N, \mathit{\Gamma})$ は射影平面になる.

以下, 射影平面の公理を満たすことを確認していこう. 異なる二点 $(a, b), (c, d)$ に対して $$(a, b)\vee (c, d) = \begin{cases} [a] & (a = c) \\ [x, y] & (a\ne c), \end{cases}$$ ただし $x$ は方程式 $T(x, a, b) = T(x, c, d)$ のただ一つの解で $y := T(x, a, b) = T(x, c, d)$.

$(a)\vee (b, c) = [a, T(a, b, c)]$ である. また $a\ne c$ のとき $(a)\vee (c) = [\infty]$ である.

$(a, b)\vee (\infty) = [a], (a)\vee (\infty) = [\infty]$ である. 以上で異なる二点を通る直線はただ一つであることが確認できた.

異なる二直線 $[a, b], [c, d]$ に対して $$[a, b]\cap [c, d] = \begin{cases} (a) & (a = c) \\ (x, y) & (a\ne c), \end{cases}$$ ただし $(x, y)$ は方程式 $T(a, x, y) = b, T(c, x, y) = d$ のただ一つの解.

$[a]\cap [b, c] = (a, x)$ である. ただし $x$ は方程式 $T(b, a, x) = c$ のただ一つの解. また $a\ne c$ のとき $[a]\cap [c] = (\infty)$ である.

$[a, b]\cap [\infty] = (a), [a]\cap [\infty] = (\infty)$ である. 以上で異なる二直線はただ一つの点で交わることが確認できた.

最後に $o = (0, 0), e = (1, 1), u = (0), v = (\infty)$ とすれば, $\{o, e, u, v\}$ はどの三点も同一直線上にない四点である.

実際, $o, e, u$ が同一直線上にあるとすると $e = (1, 1)\in o\vee u = [0, 0]$ でなければならないが, これは $0 = T(0, 1, 1) = 1$ を意味するので矛盾である.

$o, e, v$ が同一直線上にあるとすると $e = (1, 1)\in o\vee v = [0]$ でなければならないが, これも $0 = 1$ を意味するので矛盾である.

$u\vee v = [\infty]$ であるから, 明らかに $o, u, v$ も $e, u, v$ も同一直線上にはない.

以上により $\mathfrak{G}$ は射影平面となることが分かった. またこの射影平面に対して $$\varphi : R\to [0]\setminus\{(\infty)\}, r\mapsto (0, r)$$ によって座標を与えるとき, そこから定まる三項演算は元の $T$ に一致する. 従って射影平面の幾何学的性質と平面三項環の代数的性質を結びつけることができる.

注意 : 平面三項環として同型でないものから構成される射影平面が同型になることがある.

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