位数 $8 = 2^3$ の可換群の分類は有限 Abel 群の基本定理によって出来るので, 非可換な場合に絞って議論する.
位数 $8$ の非可換群は必ず位数 $4$ の元を持つ. これを $x$ とし, $N = \langle x \rangle$ と置く. $N$ は指数 $2$ の部分群だから正規部分群である.
もし $G \setminus N$ が位数 $2$ の元 $y$ を持てば, $H = \langle y \rangle$ と置くと $H \cap N = 1$ かつ $G = HN$ となるので, $G$ は $N$ の $H$ による半直積となる. そのうち非可換なものは明らかに $$D_8 = \langle x, y | x^4 = y^2 = 1, y^{-1}xy = x^{-1} \rangle$$ しかない.
$G \setminus N$ が位数 $2$ の元を含まないとき, $y \in G \setminus N$ を一つ取ると $G = N + yN$ と直和分解できる. このとき $G = yN + y^2 N$ でもあるから $y^2 N = N$ となり, $y^2 \in N$ がわかる. $y^2$ の位数が $2$ であることから $y^2 = x^2$ を得る.
$y^{-1}xy$ を決定するが, $G$ が非可換なこと, および計算によって $y^{-1}xy = x^{-1}$ しかありえないので $$G \cong Q_8 = \langle x, y | x^2 = y^2, y^{-1}xy = x^{-1} \rangle$$ となる. これは四元数群である. 四元数群は二つの群の半直積として表すことはできない.